祈り
何年か前、弟は、天使か女神が指を組んで、天に祈りを捧げている像を自分で創り、母親の誕生日に贈ったことがあった。
弟が何を思ってそれを創り、母に贈ったのかは解らない。
しかし、形や色合いなどが良く出来ており、非常に驚いた記憶がある。
今回、一周忌法要で実家に帰った際、この像のことを思い出し、飾り棚から取り出してみた。
目を閉じ、指を組んで天に祈りを捧げる、双翼の天使の顔は、自死の後、白い布団に横たわっていた弟の安らかな顔に、良く似ていた。
弟は、何を願い、何を望んで死に向かったのだろう。
彼の自死の理由は、彼はその手がかりを遺してはいたものの、未だ不明のままだ。
もっとも、何かしら解ったところで、それが正しいとは限らないということは、自死に関する勉強をしたおかげで、概ね解っている。
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